Quantel Laserによる高出力レーザーダイオードアセンブリは、火星探査機「Curiosity」ローバーの重要な科学的課題の解決に役立っており、それらはFinetech製の精密ダイボンダーで組み立てられています。
最初の月面着陸から、宇宙探査は急速に発展を続けています。 2012年以来、NASAのMSLミッションの一環として、高出力レーザーを含む科学機器を装備した「Curiosity」ローバーが、火星の地質と気候を調査してきました。 Chemistry and Camera complex(ChemCam)から波長可変レーザー分光計まで – QCWレーザーダイオードの果たす重要性を過小評価することはできません。
特に宇宙用途向けに設計されたこれらの半導体レーザアレイは、今現在に世界最大のハイパワー固体レーザ製造会社の1つであり、かつFinetechの長期パートナーでもあるフランスのQuantel社によって製造されています。
高歩留りかつ、より高出力に
我々のコラボレーションが始まった時、Finetechは産業用レーザーダイオードとレーザーバーを製造している小さな会社Nyvonix Europeと協業していました。 そのすぐ後の2006年に、Nyvonix EuropeはQuantel Laser部門を担うべくQuantelグループによって買収され、 今日、Quantel LaserはLumibird Groupの一部門となっています。
同社は、より高い実装位置精度、および非常に高い接合品質によってレーザーバー接合能力を拡張する必要があり、Finetechにアプローチしました。以前、彼らは少量の半導体レーザーモジュールを製造していましたが、量産への移行を計画しているためより厳しい要求が課されていたのです。考えられ移行計画の一部は、より高い歩留まりを保証するであろう新しい装置で既存の生産工程を強化することでした。 ここに、最先端パッケージング用途の精密装置技術に関するファインテックの長年の経験が活かされたのです。
スマイル現象の抑制
Quantelは、最高の精度を保証する新しいマニュアルタイプのダイボンダーを探していました。 彼らは、横方向とオーバーハングに関する正確な位置決めと、レーザーのスマイル現象に対する卓越した制御を含め、ヒートシンク上でレーザーバーを組み立てることを計画していました。
- 厚さ0.3 mm〜2 mmのヒートシンク上に、2 x 10 mm以内、厚さ0.15 mmのレーザーバーを正確に配置
- 定められたオーバーハング量にあわせ、レーザーバーの両端をヒートシンクの端に合わせるには、2ミクロン以内の位置精度が必要
- 制御された雰囲気中で行われる、確実なはんだ層厚と優れた均一性を実現する、共晶AuSnはんだ付プロセス
課題こそ開発
Finetechは常にソリューション指向のアプローチで課題に取り組むために前向きです。それがQuantelの要件に基づき、加熱プレート上のヒートシンクの事前配置をプレビューできる特別なツールを設計した理由です。そして、望ましい解決策は以下の機能の組み合わせにより実現されました。
- FINEPLACER®の原理による最高の実装位置精度
- 高解像度光学系
- 2点アライメント機能
- クローズドループボンディング荷重制御によるオペレーターに依存しない接着プロセス
- 急速加熱・急速冷却サイクルを備えた特注加熱プレート
- 接着後ファセット検査用に特別に開発された顕微鏡
- サブマウント寸法の公差補正
QuantelはFinetechを何度も訪問し、サンプルテストや特定パーツの開発に完全に参加しました。
我々は共同で、正確に定義されたオーバーハング量でレーザーバーを配置する再現性ある接合方法を発見し、より良い出力を達成しました。また、生産性と生産量を増やすことができ、より均一な熱分布によってより高い安定性も保証されました。
コラボレーションの結果として、Quantelはフレキシブルでサブミクロン精度を持つFinetech社製ダイボンダーを導入し、彼らの生産プロセスの不可欠な一部となりました。そして5年後、継続的に優れた結果が得られたため、Quantelはさらに別のFinetechシステムを導入したのです