量子インターネットが従来と異なる点
情報をビット(0または1)として伝送する従来のネットワークと異なり、量子ネットワークは量子ビット(キュービット)を交換します。キュービットは複数の状態に同時に存在でき、長距離にわたってもつれ(エンタングルメント)を維持できるという特性があります。
これらの独自の特性により、新たな通信の可能性が拓かれます。
- 量子情報を傍受しようとする試みは、即座に検出されることになります。
- 将来的には、分散された量子コンピューター群が単一のスーパーコンピューターとして機能する可能性を秘めています。
つまり、量子インターネットは安全で超高速の通信を実現し、今日のデジタルインフラストラクチャを遥かに超える飛躍を約束するものと言えます。
構想からパイロットプロジェクトへ
量子インターネットはもはや概念に留まらず、欧州、中国、米国ではすでにパイロットプロジェクトが進行しています。
具体的な成果には、以下のようなものが含まれます。
- 100キロメートルの光ファイバーを介した安全な量子鍵配送(QKD)。
- 数千キロメートル離れた地上局をリンクする衛星実験。
ウェーナー氏の主導のもと、欧州量子インターネットアライアンスは、2030年までに量子通信の距離を500キロメートルへ、2040年までに1,000キロメートルへと延伸することを目指しています。これを実現するには、物理学、ハードウェア、そして極めて重要な量子デバイス向けパッケージング技術における革新が不可欠です。
なぜパッケージングの精度が量子ネットワークの成否を分けるのか
量子通信を研究室からビジネスへとスケールアップできるかどうかは、究極的に精度にかかっています。単一光子源、検出器、プロセッサといった量子デバイスは非常に高感度です。ナノメートル単位のわずかなアライメント(位置合わせ)のズレでさえ、光子の損失を招き、性能を著しく低下させます。
パッケージングにおける主要な課題は以下の通りです。
- 異種材料の統合(半導体、超電導体、結晶、ダイヤモンド、希土類イオン)
- 絶対零度に近い極低温下での安定性
- 熱応力に耐え得る信頼性の高い相互接続
- 振動、塵、湿気などからの環境的な遮蔽
- 手作業の実験室作業から自動量産へのスケールアップ
これらの課題を克服しなければ、量子インターネットをグローバルなインフラストラクチャとして確立することはできません。
研究室から産業へ:量子パッケージングにおける当社の役割
30年以上にわたる高精度ダイボンディングと高度なパッケージングに関する専門知識に基づき、当社は量子技術を研究から産業の実用段階へと移行させるためのツールとプロセスを提供します。
当社のダイボンダ—、例えばFINEPLACER® femto 2は、以下の能力を発揮します。
- 効率的な光子結合を実現するための、サブミクロン搭載配置精度
- 多様な接合方法(熱圧着、接着剤、レーザーアシスト、共晶など)
- ミリケルビン(mK)環境での動作に対応した極低温対応の相互接続
- 再現性の高い高歩留まりを実現するための、自動化されたスケーラブルなプラットフォーム
- 量子グレードデバイスで99%を超える業界最高水準の歩留まり
これらの能力は、従来の半導体業界におけるスタンダードを超越しています。 これらにより、単一光子源、超電導回路、量子検出器を、スケーラブルで信頼性の高いシステムとして統合することが可能になります。